まだまだ真っ暗な午前3時
周りがザワザワしてきました
朝食はいつもの雑炊です
朝食を済ませてテントを出ると出発していく人もチラホラと
ルートには登っている人のヘッドライトの列が見えてます
同行者は剱岳には行かないとのことなので今回はソロで
4:05 出発
初めは剣沢に向かって下って行きます
沢床に降りると大きな岩がゴロゴロした平地に出ます
岩にマーキングがこまめにあるので、確認しながら慎重に進みます
何度かルートを見失いました
明るいヘッドライトがいいです
4:30 剣山荘
小屋泊まりの人はまだ出てこないようです
ヘッドライトが暗いので電池を換えます
やっぱり明るいヘッドライトはいいです
剣山荘に着く前頃からなんだかお腹の調子が悪い感じがしてきました
山荘にトイレがあるかと思ったんですが、外には見当たらなかったのでそのまま進みます
このルートの鎖場には番号の付いたプレートがあります
4:50 2番目鎖場
1番は見落としたようです
ルートを見上げると前剱に登っている人のヘッドライトの列が見えてます
一服剱を下って、前剱に取り付くところでヘルメットとセルフビレイを装着しました
だんだんと明るくなってきました
が、空は雲に覆われています
前剱の登りは急斜面のガレ場なので、石を落とさないように慎重に登ります
ここを下るのは少し嫌な感じです
5:35 4番目鎖場
この先で下山ルートに迷い込んでしまい、前剱のトップを巻いてしまいました
お腹の調子が良くないので水分も摂れず、食欲もありません
最初に見えたときは、え?どこに足をかけるの?って思いました
が、近付いてみると割りとしっかりとした足場があります
難しそうに見えますが、そんなでもありません
5:50 6番目鎖場
ここはちょっと大変でした
この辺からもっとも恐れていた事態が発生しました
ポツポツと雨が降り出しました
靴底がかなり減った状態なので、雨だけは避けたかった・・・
7番鎖の一枚岩を下ったところでレインウェアを着ます
天気予報では晴れのはずなので、雨が止むまで停滞することも考えましたが、お腹の調子もいつまでもつのかわからないので先に進むことにしました
6:25 8番目鎖場
とうとうやって来ました
カニのタテバイ
岩と鎖はガッツリ濡れてます
靴底はツルツル、グローブもツルツル
非常に怖いですが、登り専用ルートの途中なので登るしかありません
前の人はスルスルと登っていきます
鎖に手をかけるとほとんどグリップしません
ステップの段差もかなりあるので、手の力に頼って登らないといけない所もありますが、グリップしません
次の人がすぐ下に迫ってきます
もう少し間隔を取ってもらいたいものです
もう登るしかありません
とにかく怖いです
恐怖と戦いながら、なんとか登ります
岩と鎖が濡れてなければそんなに難しくはないんでしょうけど
なんとか登りきりました
心が折れそうになるくらい怖かったです
ここからは山頂はすぐそこってイメージがありましたが、まだまだありそうです
もしかするともしかするかも
周りの素晴らしい景色が目に入ってきた時、他の山では今まで味わったことのない達成感がこみ上げてきて涙が出そうになってしまいました
雨が降り出したときは撤退も考えました
泣きそうになりながらカニのタテバイも登りました
でも、諦めなくて良かった
恐怖に打ち勝ち、急激に回復していく空を見ていたらとにかく熱い想いがこみ上げてきます
山頂はもう目の前
は、4等三角点で、これは100年後の最近設置された3等三角点だそうです
本当は山頂で朝メシでも食べながらキャラメルマキアートを飲みたかったですが、お腹の調子が良くなくて食欲がないのとどんどん人が上がってくるので、名残惜しいですが降りることにします
7:25 下山開始
カニのヨコバイです
ヨコバイって言うくらいなのでずっとトラバースなのかと思いきや、結構な下りです
その先でトラバースに移行しますが、なるほど、一歩目が大変です
鎖にぶら下がるような感覚でなんとか一歩目を踏み出します
ここさえ越えれば怖いような鎖場はありませんでした
よく見ると斜め右下の斜面に鎖が下がっているように見えました
もう一本、ルートがあるのでしょうか
7:55 11番目鎖場
8:00 12番目鎖場
8:20 13番目鎖場
前剱が目の前に迫ってきます
これからアレを登らないといけないのか・・・
息も絶え絶えで登ります
行きは前剱のトップを巻いてしまったので、トップに向かいます
ガレ場の急斜面を慎重に下ります
疲れた足にはなかなか厳しいです
この斜面もルートが二本三本あるので、下に人が登ってきている時は石を落としても大丈夫なように離れたルートに移動します
なんとか急斜面を下って、またまた息も絶え絶えに登り返すと
だいぶテン場が近付いてきました
ここでヘルメットとセルフビレイを仕舞いました
なんとかお腹ももちました
外にトイレが見当たらなかったのでミニあんぱんを一つ食べて出発します
が、これが後の悲劇に
そうこうしてるうちに激しい腹痛に襲われることに
剣沢キャンプ場までの登り返しが非常に厳しいです
10:10 剣沢キャンプ場
トイレに駆け込みました
とにかくヘロヘロでテントに戻ってすぐに横になりました
コースタイムで登り3時間半、下り3時間で荷物も軽いので油断したところもあるかもしれませんが、異様に疲れました
お腹の調子が悪く飲み食いできなかったので栄養が摂れなかったせいもあるかもしれませんが
剱岳は結構な区間で登りと下りのルートが分けられています
が、はっきりとその表示がないので注意が必要です
少しお腹も落ち着いてきたので少し昼を食べて室堂に向かいます
コースタイムは3時間20分なので12時には出発したいところです
12:10 室堂に向けて出発
剱御前小屋までの登りが非常に厳しいです
テント装備のザックが肩に食い込みます
加えて落ち着いたかと思ったお腹の調子が微妙な感じになり、水分が全く摂れません
次々と追い抜かれながら登っていきます
ここにはトイレがあるので一休み
あとは下るだけです
10分ほど休憩し出発
すごい数のテントです
室堂に向かってちょっとした階段が見えます
あれを登るのか・・・
まあ、あれくらいなら
重い足を引きずりながらなんとか登ります
すると、その先にはまた階段・・・
その先にもまた階段・・・
風向きのせいか、濃いガスが流れてきています
ちょっと吸い込むとむせてしまいます
息ができません
階段を登るのに多くの空気が必要なのに空気が吸えません
これには堪えました
泣きそうになりながら階段を登りきると
そこにはまた階段・・・
もう二度と室道には来ないと誓いながら一歩一歩階段を登ります
後で地図を見たらキャンプ場手前から別のルートがありました
そちらならこんなに階段じゃないのかな
15:40 室堂
剱岳とは違う意味で半べそかきながらなんとか到着
45分のトロリーバスに飛び乗りました
ロープウェイとケーブルカーを乗り継ぎ、電気バスの最終便で扇沢にたどりつきました
このあとは薬師の湯であったまりました
コメント