さて、雨の止まない午前4時
このまま降り続くならば、なるべく早く降りたほうが沢の増水は少ないのではないかとの判断で活動準備開始
おいしくて、朝食にはとてもいいのですが、やっぱり1個じゃ足りないので1個半食べました
雨は降り続いてますが薄明るくなってきたのでテントを撤収します
雨の中で撤収したので内部までビシャビシャです
沢が渡れなくて停滞を余儀なくされても、テント泊はもう厳しいです
体中ボロボロで登り返す気力はありませんが、なんとか奈良田まで下れることを期待して出発します
沢に下りて沢沿いを歩きます
普段がどのくらいの水量かわかりませんが、結構な勢いで流れてます
ここは橋がかかってました
ここにも橋がかかってました
しかし、すごい水量です
大門沢小屋から下は割りと緩やかな斜面を下っていきます
(時折、急な斜面もありますが)
この橋はロープがないのでバランスを取るのが大変でした
7:45 橋のない沢
さて、とうとう橋のない沢に来ました
幅は約3m
水量も結構あり、流れも速いです
この沢に行き着いたとき、呆然としました
どうやって渡るんだろう・・・
少しでも幅の狭いところは無いか見渡したところ10mほど下流に少しだけ狭くなってるところがありました
その幅、約2m
流れが強いので水に入って渡るのは危険そうです
荷物を先に対岸に投げて、自分も飛べばなんとかなるか・・・
しかし、濡れた岩の上からのジャンプになるので、きちんと踏み切れるか自信が持てません
その下流10mほどで本流に合流するので、流されれば間違いなく死ぬでしょう
ここは無理だ・・・
他の場所を探し見上げると、先ほどいた場所の岩にマーキングがありました
なるほど、ここから渡れということか
小屋からここまで1時間45分
あと45分も歩けば安全な林道に出るはず
そして、あと1時間半も歩けば車にたどり着くはず
小屋に登り返すには3時間はかかるだろう・・・
行くしかない!
意を決してストックを水に差し込んでみると水深、約30cm
ストックで底が滑らないことを確認して足を踏み込む
膝下まで強い流れがくるが、なんとか踏みとどまれそう
両足と下流側のストックで3点支持を作ってもう1本のストックで次の足場を探る
なんとか行けそうだ
滑って流されれば確実に死ぬというプレッシャーの中、帰りたい一心で一歩一歩確実に進んで行きます
なんとか渡りきってこの写真を撮りましたが、足は恐怖でガクガク震えてました
もっと探せば、安全に渡れる場所があったか、なければ戻るのが正解だったんでしょうが、今回はいい経験になりました
登っている途中で撤退するのは簡単ですが、下っている途中で撤退するのはとても難しいことだと思いました
(後日談:実はザックの中にテント用の細いロープが10mほど入っていました。その辺の木にくくりつければもう少し安全を担保できたのかなと思いました)
ここさえ渡ってしまえば、あとは特に問題になる場所はないはずです
最大のピンチは過ぎましたのであとは車まで歩くのみです
造りは立派なんですが、意外に揺れて怖かったです
人工物が見えてきたときはホッとしました
沢渡りをしてなかったら躊躇するくらいの深さです
第一発電所まで2.2km、奈良田湖バス停まで4.3kmだそうです
途中から舗装された道になります
ここのバス通りの合流点までしか一般車は入れないので警備のオジさんがいました
帰ってきた感があり、とにかくほっとする瞬間です
舗装された道をテクテク歩きます
生きて帰ってきました
やっとたどり着きました
体も気力もボロボロです・・・
奈良田温泉があるので入りたかったんですが、タオルがないのでやめました
スタートからトラブルに見舞われた(確認不足なだけですが)今回の山行ですが、終日雨に降られ、景色も見えず、命の危険もありましたが、今度は天気のいい時にリベンジしたいですね
しかし、南アルプスは凄いっすね
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